ことあれかしだった

ちいさい怪談や奇譚を細々と書いています

作文のこと

暇なので、今まで書いてきていくつか見つけることのできた、自分なりの作文のことをつらつら書いてみようと思います。

 

はじめに断っておくと、いわゆるライティング技術みたいなのはからっきしで、ここで述べるのはいつも書いている文章についてのちいさいこだわりに過ぎませんので、そこんとこあしからず。

もちろん、巷で目にする文章読本や小説作法よりも遥かにレベルは低いです。

 

とは言ったものの、どこから説明していこうかな。むつかしいな。

 

  

①…とか―とか

…(三点リーダとか―(ダッシュ)は2回続けるんよと色んなとこで言われてると思いますが、これには確か理由があって、原稿用紙に書く際に見間違いがないように、みたいな感じだったと思います。

ですから、PCで書くぶんには別に従う必要もないんじゃないのと個人的には思っておりますが、やっとかないとナメられちゃいますもんね。

大谷崎とかは意外と―が好きだったらしいですよ。視覚的効果はバツグンですよね。

ただわたくしは、基本的には怠けるための道具だと思っています。

 

②「」とか()とか

「」にしろ()にしろ、『』にしろ“”にしろ、よく言われるのは「」は改行してから使いなさいよとか、()はセンテンスの中に入れなさいよとか。“”はだいたい引用付ですもんね。

 

とりあえず「」について言うと、

ex.)

  • 「このスープは不味い」

   と、Kenは言いました。

  • 「このスープは不味い」とKenは言いました。
  • このスープは不味いとKenは言いました。

別にどれでもええやんけと思います。

わたくしの個人的な好みでいくと、三人称視点で書いているなら一番上か二番目、一人称なら一番下かなあ。

 

また()について言うと、

ex.)

  • Kenはスープを飲みました。(もう冷めている)
  • Kenはスープを飲みました(もう冷めている)。
  • Kenは(もう冷めている)スープを飲みました。
  • Kenはスープを(もう冷めている)飲みました。

どれが正解だと思いますか。

わたくしの個人的な好みでいくと、一番上以外ならどれでもいいです。

一番上だとなんか色々おかしくなっちゃいませんか。

 

あとは、

ex.)

  • 「冗談みたいな人生だった」
  • 「冗談みたいな人生だった。」

下が間違いとか言う人がいますが、んなことないです。

ただこのへんの感覚については、かなり芸術的なアレとか文章技巧みたいな所が関わってくるので、むつかしい所ではありますが、少なくともわたくしは、三人称視点で書くときは下のほうを使っています。

 

③句読点

むかし国語の先生に、文章を読むときに「ねー」を入れても自然なとこは、そこに句読点を入れられるんよと教わりました。

ex.)

  • 「俺は(ねー)泣く子も(ねー)黙る(ねー)凄腕テロリストだ(ねー)」

そんなことは百も承知、入れ方がわかんねえんだよと言う方は、いっぺん句読点なし改行もなしで書いてみるといいかもしれません。断捨離みたいな感じで新鮮です。

ただ、「。。。」や「、、、」、「・・・」みたいなのはメール・チャット・ブログぐらいで使うにとどめたほうがいいと思います。

ワザと使っているならまったく問題ありませんが、文章の格が落ちますから。

 

④改行

 改行については、文章のテンションによって入れ方が変わってくると思います。

場面転換のたびに改行するのもいいでしょうし、改行なしも味があっていいもんです。

あれ、もう言うことないや。

 

⑤漢字

漢字そのものをどうこう言うつもりはありませんが、

  • なにを漢字にするのか / しないのか
  • なにを送るのか / 送らないのか

ここさえキッチリ決めてしまえば、あとはそれに従うだけなのでラクですよね。

大事なのは、いっぺん決めたルールは最後まで守ると言うことです。

ex.)

  • 背凭れに凭れる。

せもたれにもたれる。と読みますが、凭れるが重なってしまっても気にしちゃダメと言うことです。どこを漢字で書くのかは慎重に選んだほうがいいと思います。

 

また、やまとことばや故事成語などに通じると、もっとシブくてカッコイイ文章が書けるようになるんじゃないかなと思います。

夏目漱石漱石だって故事成語ですし、逆に「構内」や「彼女」は比較的新しい言葉です。マジかよと思いますが、「構内」や「彼女」が引っかかる人もいます。

バスを日本語に訳すとなんと言うのでしょうか。乗合自動車と言います。これも新しい言葉です。

歴史もので「妖刀某。稀なるそのきらめきビームサーベルの如し」なんて文が出てきたらびっくりしますよね。逆に面白いかもしれませんが。

カタカナでなければ安心と言うことはありませんから、自分の使う言葉を疑うようにするといいかもしれません。

 

⑥最後に

と、ここまで好き勝手だらだら書いてきましたが、もっと色々あったように思いますが、今日は疲れたのでこのへんで。

大事なのは既存のルールに従うことではなく、自分のルールを決めてしっかり守っていくことです。

どういう書き方をするにしても、自分はあえてこの方法でやっている。自分はワザとこれを選んで使っているという、文のコントロールとでも言えばいいんでしょうか。

個人的には、いっぺん文法の函数を作ってしまえばいいと思います。

ストーリーを放り込むと、勝手に自分の文法で文章を出力できるような函数があれば、作文もずいぶんラクになりそうです。

細々とした決めごとを作るのはしんどいよと思われるかもしれませんが、神は細部に宿ると言う言葉もありますし、ここまで書いたことが少しでもなにかの参考になれば幸いです。